【アドラー心理学】課題の分離で他人に振り回されない

ひで汰

2021年06月14日 18:38

更新:2021/10/31





私は周りに気を遣ってしまい振り回される方


昔は、良く『気疲れ』をしてしまい、


肩が凝り、偏頭痛になってしまう。



今は、ほとんど気疲れが無くなり、肩こり・偏頭痛もなくなりました。


人生は他人に振り回されて、後悔し、体調を崩すよりも『自分の心』を中心に生きた方や良いですよね。


私の場合、2冊の本によって考え方が大きく変わりました。


・『嫌われる勇気』 著者:岸見一郎 アドラー心理学

・『鏡の法則』  著者:野口嘉則

です。


今回、アドラー心理学の『課題の分離』をもとに、

他者に振り回されない考え方

課題の分離からみた鏡の法則を説明していきます。



目次


  1. アドラーはこんな人
  2. 病弱な子ども時代
    学者でありながら実践者であったアドラー

  3. 課題の分離とは『干渉しない・させない』
  4. 課題の分離とは
    課題の分離ができていない行動とは?

  5. なぜ課題の分離が必要なのか
  6. 他者からの評価はコントロールできない

  7. 課題を分離するメリット


  8. 親子の関係はどうなの?
  9. 過度な“しつけ”は要注意
    鏡の法則

  10. 『親と子』どこまでが課題の分離なのか?
  11. イギリスのことわざ

  12. 課題の分離は自己中になるのか?
  13. 課題の分離が人間関係の入口である
    実際に分離するのは無理?

  14. まとめ




アドラーはこんな人



《病弱な子ども時代》

アルフレッド・アドラー(1870~1937) は、


オーストリア出身の心理学者・精神科医者です。

子どもの頃に“くる病”を患い、身体の不自由がありました。

成長するにつれ身体的ハンディキャップを乗り越え、子どもの頃からの夢である医師になりました。


アドラー心理学は人間の苦悩のすべては、対人関係から生まれるものと考えています。
その中心には劣等感があると考えます。


そして、すべての人が苦悩から逃れ、

幸福に生きる方法として『個人心理学』を提唱しました。



《学者でありながら実践者であったアドラー》

実際にアドラー自身も研究者では留まらず実践者だったようです。


アドラーの息子、精神科医のクルト・アドラーによれば、

父は、『腰かけ椅子にすわり観念だけを追い求めるインテリとは正反対の存在であった』といっています(ホフマン『アドラーの生涯』より)。




課題の分離とは『干渉しない・させない』




《課題の分離とは》
自分と他者との課題を分離することをいいます。

・他者の課題に踏み込まない
・自分の課題にも踏み込ませない


誰の課題かを判断する場合、
最終的な決断を負うのは誰なのか、
それによって、
最終的な責任を負うのは誰なのか
を明確に判断することで、課題の境界線が見えてきます。


ここでの課題とは、人生の課題、対人関係の課題、仕事上の課題など、多くのことが挙げられます。



《課題の分離ができていない行動とは?》

・相手に対する命令や強制
・見返りを求めてしまう行動
・相手の評価を気にしてしまうこと


以上は、課題の分離ができていない証となります。

これらは、相手の課題であり自分の課題ではありません。

逆に評価を気にしない行動や見返りを求めない行動は課題の分離が行なえているということなります。


自分と他者の課題を分離し他者の課題には踏みこまない、他者にも自分の課題に踏み込ませない


簡単にいうと「他人の問題に首を突っ込むな」、「自分の問題には他人に首を突っ込ませるな」ということです。
課題の分離は、他者の選択を尊重する気持ちがないとできないことだと考えます。



なぜ課題の分離が必要なのか




・ありとあらゆる問題の原因になっていることが多い
・人生が承認欲求に囚われないようにするため
・他者が自分を認めるかどうかは他者の問題である


自分の人生を、他人が生きることは無理なように、他人の人生を自分が生きることは無理です。
人生は自分でしか生きられません。


《他者からの評価はコントロールできない》
他者が私たちをどう評価しようとも、評価のバロメーターは気分や環境、タイミングによって左右されます。

同じことを他の誰かがやっても評価されることもあれば、同じことをしても評価されないことだってあります。

他者の評価は、タイミング、フィーリング、ハプニングで左右されると云われます。

また吉田松陰が挙げる、成功の三つの条件は“天の時、地の利、人の和”と唱えています(吉田松陰「人を動かす天才」の言葉―――志を立てることから、すべては始まるより)。
ここでお伝えしたいのは、私たちが介入できる範囲には限界があり、それは他者に対しても同じことが考えられます。


つまり、評価を気にするよりも『やりたいようにやる』ことが人生にとって最善ではないでしょうか。

きっと、悔いも少ないと考えます。

【 あわせ読み 】
概要:やりたいことをやれば『後悔』しないのか?『幸福』なのか?
表面的な『やりたいこと』をやるでは、きっと人生に悔いが残る。
本当の自己実現とは、物理的な成功欲求とは異なります。

記事:リンク↓↓
自己実現と願望実現の違い



課題を分離するメリット





課題を分離することは自分にとってのメリットがあります。
それは「承認欲求」を解消することに繋がるからです。
なぜなら、承認欲求が強いと他者に対して自分の評価が上がるよう努めるため、他者が持っている“自分への評価”をコントロールする行為も強くなるからです。

※承認欲求:他人から肯定的な評価を受けたい、否定的な評価をされたくない、自分を価値のある存在だと思いたい、という欲求(Weblio 辞書,承認欲求より)


【 あわせ読み 】
概要:嫌われて損をすると考えている時点で、自分の人生は他人の言動に左右されている。
相手に“承認されたい”欲求が根っこにあると自分のことは後回しで他者を優先。過度な承認欲求は自己犠牲につながる。

記事:リンク↓↓
【アドラー心理学】自己犠牲の原因は承認欲求



親子の関係はどうなの?




《過度な“しつけ”は要注意》
親と子どもの関係で、疑問に思われたかもしれません。
過干渉、過保護などの行き過ぎた行動には課題の分離が行なえていないからこそ発生します。

親子こそ課題の分離が大切とアドラーは言っています。

物理的な距離と血縁関係の距離が近いため、課題の分離がしにくくなります。
親が子どもの人生を生きることも困難で逆も然りです。


親子関係で、具体的に何が行き過ぎているのか疑問に思われた方のために、

下記の本を紹介します。


《鏡の法則》
10代の頃に読んで、私の人間関係を変えた本です。

鏡の法則 人生のどんな問題も解決する魔法のルール

人間関係は自分自身を映しだす鏡です。


10代の頃、友達から何気なく勧められた一冊でした。

活字慣れしていない私でも2~3時間程度で読めました。

本の帯にも書いておりますが、
本を読んで初めて泣きました。

子供の頃から“しつけ”が厳しく、私の姉はうつ病になり、
親への想いもあまり良くないものでした。

当時は人間関係がうまくいかず、学業もおろそかになっていました。

そんな中、鏡の法則を読んで何度も救われました。

今でも人生の基盤となっています。


この本には、実話に基づいたある家庭の物語が描かれていました。

-あらすじ-

イジメにあっている子どもをどうにか助けてあげたい母親。
母親は自分の抱えている問題から紐解いていくことで、周囲の問題が解決していくさまを描いています。
人間関係は鏡のように、心を周囲が映し出してくれています。
一つのトゲが取れたことで、それぞれの問題が急速に変化していきます。



現実的には変化までの時間は若干の時間差があるとは思います。

しかし、それでも、ねばり強く行動したなら変化は必ず訪れると思います。

私はこの本から『人の行動は操作することができない』、しかし『自分の行動を良い方へ変えることで周囲にも良い影響がある』ことを知りました。


タイトルは『鏡の法則』ですが、
この本には課題の分離が隠されています。

これ以上の説明はネタバレになりますが鏡の法則を通して『課題を分離する』ことの重要性を説いています。

親子関係、
子どもに『ガミガミ』と言ってしまい後に後悔する方、

親に対する『負の感情』を抱いている方は是非、読んでみてください。


きっと、読んだ後は『心が晴れやか』になります。



『親と子』どこまでが課題の分離なのか?


《イギリスのことわざ》
では、どこまでが課題の分離なのでしょうか。
アドラー心理学はイギリスのことわざを用いて、「課題の分離」の範囲を伝えようとしています。
馬を水辺に連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない。引用:イギリスのことわざ


子どもを見守ることや、いつでもサポートする準備ができていることを伝えること、

環境を整えることは、
『課題の分離の範囲内』となっています。

つまり、決断と最終的な責任を奪うことは親の権利ではない事を表しています。

チャンスも、失敗も成長の糧となるからです。


課題の分離は自己中になるのか?



《課題の分離が人間関係の入口である》
相手を自己中と呼ぶ人こそ自己中である。

アドラーは、
自己中心的な人こそが課題の分離ができていない
と述べております。

ならびに、他人を自己中心という人ほど、相手を自分の都合に合うように判断し求めているからこそ、他人を指して“自己中心的な人”と呼んでしまいます。
課題の分離ができていると、他人の課題の責任は最終的に他人が負うことを知っています。

そして、課題の分離こそが人間関係の入口としています。

課題の分離は、相手の決定を尊重し責任を負って成長を促すことになり、そこには相手への敬意や尊重し合う心があるからです。これでようやくスタートラインです。


《実際に分離するのは無理?》
課題の分離ができない人は、課題の分離をしない方が楽だと考えているからです。
ここには、アドラーが次にあげる目的論と原因論に繋がります。


【 あわせ読み 】

《理由づけの方法》
原因論:現在の状況を、過去の特定の出来事で因果関係を説明
目的論:現在の状況を、未来を踏まえた目的によって因果関係を説明

《現在に対する考え方》
原因論:現在は常に結果である
目的論:現在は常に手段にしか過ぎない

記事:リンク↓↓
【劇薬アドラー心理学】目的論はコンプレックスも否定


まとめ




・他者の課題に踏み込まない、自分の課題にも踏み込ませない。
・他者からの評価はコントロールできないから、『やりたいようにやる』ことが人生にとって最善
・親子こそ課題の分離が大切
・決断と最終的な責任を奪うことは親の権利ではない
・相手を自分の都合に合うように判断し、求めている人が“自己中心的な人”。


《紹介書籍》





【 ブログを書いている人 】
はいた~い、意識レベルラボを運営している“ひで汰”です。
このブログは、沖縄出身の読書好きな医療人が書いています。日常的に論文や本を読んでいます。
資格:理学療法士および協会指定の認定理学療法士(全体の7%)、介護支援専門員(ケアマネ)


プロフィール:35才(8才のエルサ、1才の食いしん坊かいじゅうの親です)。モットーは「見聞を広める」こと。
実績と挫折:〈年間100冊読書家は波乱万丈でも楽しめる:1日30~70万のビジネスチャンスを捨て沖縄から県外へ
私の意識レベル:「パワーかフォースか」の意識レベルを測定してみた

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