【劇薬アドラー心理学】目的論はコンプレックスも否定

カテゴリー │『アドラー心理学』自分軸と承認欲求

【劇薬アドラー心理学】目的論はコンプレックスも否定


若い時の私は学歴、容姿がコンプレックスでした。

人前に出ると過度の緊張で声が出なくなり

トラウマとして頭の中に残り、大人になれば治るだろうと軽い見積もりを立てていました。


期待も虚しく、30才を超えても症状が出ていました。



コンプレックスやトラウマは誰しもが抱えている悩みではないでしょうか。

私の場合は、
アドラー心理学の『目的論』を通して、コンプレックスやトラウマを解消できたのも一つの事実です。


自分の殻を破り捨てたい人、けど一歩が踏み出せない人に向けてアドラー心理学を紹介したいと思います。


それは、
アドラー心理学流の「尻叩き(絶対、怒られる)」である目的論です。


【劇薬アドラー心理学】目的論はコンプレックスも否定

※アルフレッド・アドラー:オーストリア出身,1870年2月7日 - 1937年5月28日,精神科医


私は、コンプレックスやトラウマが出てくる度に、

嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』を何度も読んでいます。

お世話になり過ぎてボロボロになった本です。


【 ブログを書いている人 】
はいた~い、意識レベルラボを運営している“ひで汰”です。
【劇薬アドラー心理学】目的論はコンプレックスも否定このブログは、沖縄出身の読書好きな医療人が書いています。日常的に論文や本を読んでいます。
資格:理学療法士および協会指定の認定理学療法士(全体の7%)、介護支援専門員(ケアマネ)


プロフィール:35才(8才のエルサ、1才の食いしん坊かいじゅうの親です)。モットーは「見聞を広める」こと。
実績と挫折:〈年間100冊読書家は波乱万丈でも楽しめる:1日30~70万のビジネスチャンスを捨て沖縄から県外へ
私の意識レベル:「パワーかフォースか」の意識レベルを測定してみた




さっそく、解説していきたいと思います。

アドラー心理学の基礎理論の一つである『目的論』を解説していきます。

目的論なしにはアドラー心理学は理解できないとされるほど重要となっています。

分かりやすく解説していきたいと思いますので、一読ご賞味あれ。


【劇薬アドラー心理学】目的論はコンプレックスも否定



劇薬の目的論


アドラーは過度な劣等感から生まれる『承認欲求』を完全否定しています。


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自己犠牲の原因は承認欲求

そして、次なる否定の矛先は、原因は過去にある『原因論』です。



これは、目的論と対をなす原因論の考えとなります。


人間の行動は過去の原因によって決められるのではなく、未来の目的によって決められる。


人は誰しもが自分を今すぐ変えられるのが目的論の考え方です。


前向きな姿勢を維持することができ、人は誰でもその瞬間から性格を変えることができ、あらゆる悩みから解放され、幸せな未来を選択することができます。さらに誰でも今すぐ可能なのです。

団体勧誘のような、すごく心のこもっていない、上っ面な考え方ですね(笑)
しかし、私は、目的論を劇薬と考えます。
※下記で説明。


受け入れられなくても、その方が苦しみは少ないと考えます。


わかりにくい目的論ですが、
原因論と比較するとわかり易くなりますので説明していきます。



原因論と目的論の違い


【劇薬アドラー心理学】目的論はコンプレックスも否定



嫌われる勇気』であげられる例えは、
例1過去のトラウマが原因で家にこもっている人、例2怒りを抑えられずトラブルを起こす人です。

例1:家に引きこもる人

家に引きこもる人の心理状況として、

原因論を視点にすると、過去の何かしらのできごとが原因で外に出られなくなった。
理由→過去に何かしらの原因があった。

逆に、

目的論を視点にすると、外に出ない家の中に居続けるために家に引きこもっている。
理由→外に出ないために家に引きこもる。


家に引きこもる人の心理の裏側には、家に引きこもることによって達成される目的は
①手段はどうであれ親の注目を浴びることができる、
②他者と比べるのを避ける、

ことが挙げられます。

この二つの目的を達成するために家に引きこもるという手段を用いていることになります。



目的は人によって異なりますが、引きこもることで自分自身を変えたくない、このままの自分が楽、現状維持が目的で在ったりします。

この点が、私は劇薬と考える点です。

なぜなら、アドラー(私の解釈)は、『言い訳の為に、理由をあれやこれやと過去から作り出している』と言っています。

過去は変えようがないから逃げる言い訳には最適であること知っているのだと思います。


深層心理は、『できないから、しない』ではなく『やりたくないから、しない』なのです。

もっともらしい理由を持ってきて、実は『やりたくないから、しない』が本音なのです。



上の例えで逆説を考えた時に、
その理由が、学校でいじめられたから学校に行きたくないという理由があった時に、『いじめられた子は、学校に行かない』という法則が出てきます。

もちろん、そんな法則なんてありません。いじめられても、学校に行く子は行くし、それを逆境にする子だっています。

理由はわかるし、もっともらしいけど、真の理由は『過去のできごと』にはないということです。

【劇薬アドラー心理学】目的論はコンプレックスも否定


では、次の例えを挙げたいと思います。

例2:怒りを抑えきれずトラブルを生み出す人
原因論:怒りを生み出す原因があり、そのせいで我を失ってトラブルを起こしてしまう。
目的論:ある特定の目的を達成するために怒りを生み出している。

トラブルを生み出す人の心理の裏側には、怒りの感情を利用して特定の目的を達成するのです。この時に達成される目的は、①相手を力で手っ取り早く降伏させること、②反逆を恐れて先手を打つ為(予防として)に怒りを使っています。

私達が、日常的に考えている原因論を、ちゅうちょなく『完全、否定』しているのです。

ディするレベルではありません。なので、目的論は劇薬と考えます。


《理由づけの方法》
原因論:現在の状況を、過去の特定の出来事で因果関係を説明
目的論:現在の状況を、未来を踏まえた目的によって因果関係を説明

《現在に対する考え方》
原因論:現在は常に結果である
目的論:現在は常に手段にしか過ぎない




目的論の弱点


【劇薬アドラー心理学】目的論はコンプレックスも否定

目的論を説明してきましたが、これだけでは、完全には腑に落ちないと思います。

その理由は、
目的論を突き詰めすぎると、過去を踏まえず先のことしか考えないようになってしまうのではないかという点だと思います。

ここが目的論の弱点であり、

それこそ、合理的ではない状況に陥ってしまいます。

常軌を逸した“前向き思考”といことです。



活用方法はバランス


【劇薬アドラー心理学】目的論はコンプレックスも否定



では、目的論をどのように活用すれば良いのか?

目的論の弱点を踏まえた上で、目的論活用の考え方を説明していきます。

私たちの悩みであるコンプレックスやトラウマは原因論から来ているということは理解できたでしょうか。


過去の変えられない原因から理由をつけて、そこに悩みがあると信じてしまっている状況です。

悩みやコンプレックス、トラウマでさえも時には成長に向けた推進力になります。

この時に、過度のストレスになってしまっている原因論は、緩和する必要があります。


→実は原因論自体が“悪い”のではなく、過度のストレスが心身にとって害があるのならば“抑制すべきこと”だと考えます。


つまり、原因論により行き過ぎた考えをバランスの取れた状態に修正するために目的論の考えを採用することが、今の私たちにとっては現実的な活用方法だと考えます。


まずは、今自分が抱えている過度なストレスの原因を過去に探すのではなく、ストレスがなくなるためには未来をどう変えたらよいのかを考えます。
そして、今抱えている目的を維持したいのか変えるのか決めます。

ベストセラー『嫌われる勇気』


【劇薬アドラー心理学】目的論はコンプレックスも否定

例えば、内向的な性格を変えたいときに、変えた後の人付き合いのめんどくささや、人間関係のトラブルを受け入れることができるのかを考えます。

ただし、内向的が「社会的に悪い」と考えている自分がいるのも事実かもしれません。


なので内向的な性格を変えるのではなく、考え方を変えるのも手段です。

内向的は、裏を返せば人間関係のトラブルを減らしたりストレスを減らす役割があり、合理的な側面があると考えます。


私たちは、安全な領域から一歩出ることを受け入れた時に行動が変わります。

自分がどうしたいのかを考え、恐れている自分を受け入れる。

その隣にあるのが嫌われる勇気なのです。


誰もかれもに、嫌われろということではありません。

この本は、嫌われることに臆病になっている人しか手に取らないと思います。


裏を返せば、「嫌われても平気な人は、この本を読まない」でしょう。

嫌われることに臆病になっている人に向けたメッセージがこもっている、それがアドラー心理学の特徴だと考えます。



この記事では物足りない、もっと知りたいという方は、

実際に読んでみることをお勧めします。




本の紹介:概要主人公と哲学者との対話形式ですごくわかり易い一冊です。

主人公がイライラしながら感情的になりながらも、読者が気になる質問を、ダイレクトに質問していく。

物わかりの悪さ?も相まって、哲学者が例題を挙げながら細やかに、テンポよく解説していく、掛け合いが楽しみであり、

身近にこんな哲学者がいて欲しいと考えるくらいです。





まとめ



・目的論は、未来に向けた行動を起こさせる
・弱点もあり、原因論との間に立ってバランスを取ることが現実的
・書籍「嫌われる勇気」はアドラー心理学入門者にとってはわかり易い。





《あとがき》
いかがだったでしょうか。

ここまで、アドラー心理学の目的論を解説してきました。
私の、緊張で声が出なくなる症候群(笑)を乗り越えたこともお伝えした方が現実味があって良いのかもしれませんが、私事なのでまた別の機会にしたいと思います。


勉強になったと思われた方は“ブックマーク”してまた見に来てください。
ありがとうございました。



【 ブログを書いている人 】
はいた~い、意識レベルラボを運営している“ひで汰”です。
【劇薬アドラー心理学】目的論はコンプレックスも否定このブログは、沖縄出身の読書好きな医療人が書いています。日常的に論文や本を読んでいます。
資格:理学療法士および協会指定の認定理学療法士(全体の7%)、介護支援専門員(ケアマネ)


プロフィール:35才(8才のエルサ、1才の食いしん坊かいじゅうの親です)。モットーは「見聞を広める」こと。
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