以前の私は、
努力しても頑張っても報われない、
心は楽にならないし幸せにならないと思っていました。
同じように考えている人がいましたら、参考までに一読してみてください。
欲求が満たされれば、きっと成長できます。
人が生れながらに持っている《成長する意欲》は人間性を高め魂・意識レベルを上げると考えられています。
心理学者マズローは欲求についての研究を行っていました。
晩年出版した『完全なる人間』の副タイトルは
『魂の目指すもの』でした。
内容は
自己実現と自己超越、現代人が今向かうべき目標とプロセスが事細かく書かれています。
マズローの提唱した自己実現と自己超越は高次の領域となり、ディビッドホーキンスの意識レベル600(覚醒)と700(悟り)の領域に入ります。
関連記事→ 〈
あなたの意識レベルは?魂レベルを上げる方法〉
マズローは人が持つ
欲求により成長し境地に至ることができるということを見出しました。
普通なら『欲(自我)は滅するべき』といわれます。
しかし、仏教の禁欲を破ったのは『親鸞上人(浄土真宗の宗祖)』です。
欲は滅するのではなく、
鎮めるものでその先に無我の境地があるということです。
今回は、私の好きな
心理学者マズローの唱えた欲求と成長に関する考え方を解説して行きたいと思います。
マズローといえば『マズローの欲求階層説』です。
一般的なピラミッドの欲求段階は見たことがあるかもしれません。
※実際は誤解を招く恐れがあると考えたマズロー自身はピラミッド形態を発表していません。(参考論文:
マズローの基本的欲求の階層図への原典からの新解釈,廣瀬 清人,2009)
マズローはこの欲求階層説を発表した8年後、「成長動機と欠乏動機」という概念を提唱します。
今回は、高次の領域に向けて必要な『成長動機と欠乏動機』を中心にヒモ解いていきたいと思います。
A.H.マズローとは
〇アブラハム・マズローは貧しいロシア移民の息子として、1908年にニューヨークで生まれました。
〇ウィスコンシン大学で1934年に文学博士を取得しています。
〇12年間の心理療法の仕事と実験、
20年間の人格研究によって集められたデータによって現在のマズローの欲求階層説が形作られました。
〇マズローは、多くの著書、論文を出しています。
一貫して『精神的に健康で自己を実現しつつある人間の研究』を行っていました。
※人格研究は過去の偉人に関する資料と記録からデータを収集しています。限定的な情報のため根拠としては信憑性に欠けています。
ただし、その点を考慮しても執筆した内容は、人の人生を変えるだけの価値があると私は考えます。
《個人的な意見》
マズローの良さは研究の対象を精神衛生上で健康な人としたところです。
健康な人はなぜ健康なのか、どこがどう健康なのか?とうい視点で研究が進められました。
→ポジティブな視点
欠乏動機とは
衣食住の安全、社会的所属、承認や愛、名誉や尊敬に対して何らかの障害がある(満たされていない)ときに欠乏状態におちいります。
欠乏状態がひどく慢性化すると体や心に現れ神経症(精神疾患)となってしまいます。このような状態では成長動機や自己実現などの高次の欲求は現れません。
生きるのに精一杯という生活が続いてしまいます。
・神経症(精神病)の決定的要因は安全、所属、同一化、親密な愛情関係、尊敬と名誉に対する満たされない願望です。
→これらの欠乏が取り除かれると病気は消失します。
欠乏を取り除くための動機(やる気)が欠乏動機といいます。
この時のやる気は、安心・安全・承認・名誉が満たされることを望んでいるため、
本質的な成長に繋がりにくくなっています。
※もちろん例外はありますが、成長どころではないということです。
つまり、
健康を取り戻すための欠乏動機ということなのです。
《WHOの
健康の定義(well-being)》
健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。(日本WHO協会訳)
引用: https://japan-who.or.jp/about/who-what/identification-health/
つまり、
健康は体だけではなく、
心の健康や人としての尊厳が満たされることで、人は健康で在り続けると考えます。
次に説明するのは欠乏動機と対をなす
「成長動機」です。
成長動機とは
成長動機とは、
成長そのものが目的になる欲求を指します。
これは、自己実現への欲求が該当します。
成長するということは、理想的な自分へ一歩近づくということです。そのため、
成長によって自己実現欲求が満たされるのです。
成長動機はどんな状態
・条件、安全、所属、愛情、尊敬、自尊心に対する基本的欲求を十分に満たしている
・自己実現に向かって動機づけられる
・行動すること自体が目標であり、成長するプロセスを楽しんでいる
・成長することに楽しみがありこの願望が際限がなく、完成することもあり得ない
・依存したり恩恵を受けたりすることが少なく、自律的で自己指向的。外的な影響を受けることが比較的少ない
自己診断:成長と欠乏動機の特徴
欠乏動機をみたすことは病気を避けることになます。
成長動機の満足は積極的健康をつくります。
欠乏動機の人間は、成長動機の人間と比べて、利害、必要性、執着、願望が強い傾向があります。
そのため人に頼ることが多く依存しやすい状況にあります。
引用:
完全なる経営,A.H.マズロー,p367
どのようなユーモアを面白いと感じるかによって判定することができます。
低いレベルで生きている人間は、敵意のこもった残酷なユーモアを面白いと感じる傾向にある。哲学的で教育的な面白いユーモアは全く理解されない。
性格検査に用いられるロールシャッハ・テストは、テストする者が何を求めているのかを明らかにします。
ロールシャッハ・テストとは、
被験者にインクのしみを見せて何を想像するかを述べてもらい、その言語表現を分析することによって被験者の思考過程やその障害を推定するものである。
引用:
ウィキペディア
《成長動機を持った人の特徴》
1、現実世界への優れた認知
→
期待・信念・固定観念などにとらわれない。現実を正確に知覚できる。
2、自己、他人、自然への高い受容
→自分や他人の人間性(欠点も含めて)を、
ありのままに受け入れることができる。
3、高い自発性
→行動が自発的であり、
内面・思考・衝動などにおいても自発的。人を傷つけたり争ったりは好まない。
4、問題中心性の増大
→自分自身の問題よりも、国・人類に対する何らかの
使命感を基にした問題・課題への積極性な姿勢。生き物への利益性が必然的に高くなる。
5、人間関係における独立分離の増大とプライバシーに対する高い欲求
→隠居への欲求。孤
独でいても、不快になることがなくなる。平均的な人々よりも孤独やプライバシーを重んじる。
6、高められた自立性と文化没入に対する抵抗
→文化没入への抵抗は型にはまらないこと。独立性。
名誉・地位・報酬などよりも自分自身の成長や発展を好む。
7、非常に斬新な鑑賞眼と豊かな情緒反応
→豊かな洞察と感情。
ピュア、無邪気。
8、非常に頻繁に生ずる至高経験
→至高体験とは神秘体験。強度の集中、無我状態、自己喪失感、自己超越感。例えの表現として、
「ゾーンに入る」が一般的に使われる
9、人類との一体感の増大
→統合意識。人類全般に対して愛情を持っている。
人類を助けたいと真剣に願っている。
10、変化をとげた対人関係
→他者と深い結びつきを形成し、
愛情、親密性、献身性を持って付き合う。友人の範囲はかなり狭い。
11、一段と民主化された性格構造
→階級、教育の程度、宗教・政治、人種や皮膚の色に囚われず
誰とでも親しくできる。同じ人間だからという理由だけで、どんな人にもある程度の尊敬(敬意)を払う。
12、非常に高められた創造性
→特殊な才能を持つ人に見られる創造性ではなく、すべての人に与えられた可能性と従事している
活動に何らかの良い影響を与える。※問題中心性の増大を参考
13、価値体系における特定の変化
→一般的で本質的ではない道徳・倫理・価値ではなく、すべての違いに対して
受容できる価値観を持っている。
引用:
完全なる人間 [第2版]:魂のめざすもの,A.H.マズロー,p31-32
参考論文:
マズローの自己実現論の全体像,石田潤,p34-36
欠乏を満たし高次の欲求(自己実現)へ導く
どうすれば欠乏状態の循環から脱することができるのか?
《欠乏を満たしつづける(低次の承認欲求に留まる)》
欠乏状態を脱するために働くのが欠乏動機(動物が空腹で獲物を狙うような状態)です。
健康を維持するためには満たされる必要があり、本人以外の人によって満たされる必要があります。
そのため、供給源が絶たれないよう『他人志向』になってしまいます。
※周囲の人や環境に対してかなりの依存がある。依存しないと満たされない状況。
欠乏を抑圧したとしても脱する事にはならず、深層心理の中で抑圧した事象は残り続ける。これらは思考や行動に決定的な影響をおよぼします。完全なる人間 [第2版]:魂のめざすもの,A.H.マズロー,p243
禁欲することがすべて良いというわけではありません。ある程度、満足させて昇華させることも必要です。
《欠乏を満たした先の自己実現へ導く》
自立性などを得ることで自分で自分を満たす。自分で自分を満たし自立する。
車で例えると、低次の段階だと『ガソリン』を原動力に車を動かします。しかし、高次の段階になれば『ガソリン』は不要になり、半永久機関となります。
※半永久機関:外部からエネルギーを受け取ることなく、仕事を行い続ける装置である(ウィキペディア)
そのために、自己を磨きを楽しむ段階へ移行します。徐々に成長動機へ移行し、自己実現欲求が芽生えます。
方法は意識的に高次の承認欲求の段階に移行する。
つまり、
意識的に「自分磨きをする」ということです。
第1ステップ:スキルUP
①技術力や能力の習得
第2ステップ:心の変化(意図的に変化させる)
②自己信頼感を高める
③自己尊重感、自己肯定感を高める
第3ステップ:パラダイムシフト
④他人からの評価よりも自分自身の評価が重要と気付く
《私の心の持ちよう》 ※参考までに
・やりたいこと、やってみたいことをやってみる
・初心者はできないのが当たり前
・チリも積もれば山となる
・継続は力なり
・短期的な成果を求めない
・成果獲得は長期的になればなるほど、雪だるま式で大きくなっている
・モチベーションが下がった時は、ユーチューブで関連する動画を見て「やる気」を出す。
まずは、自分磨きでスキルUPしていきましょう。
補足:
一旦、高次の成長欲求や自己実現・自己超越が芽生えると、今度は低次の欠乏に対して大きな影響を受けにくくなってきます。
例えば、お腹が空いても芸術に没頭したり、危険を冒して冒険・修行したりなど。
自己実現とは?
心理学では自己実現について、
自分の能力や性質を存分に発揮し、より自分らしくなることを心理学では「自己実現」と呼んでいる。
引用:マズローの自己実現論の全体像,石田潤,p33
マズローが唱える「自己実現」とは何か?引用:
完全なる人間 [第2版]:魂のめざすもの,A.H.マズロー
・自己実現とは、可能性、能力、才能の絶えざる実現として、使命の達成として、個人自らの本性の完全な知識や受容として、人格内の一致、統合、協同動作へと向かう絶え間ない傾向。p31
・自己実現する人々は欲求を満たしてくれる人は必要ない。他人に対して価値を見出したり、批判・非難や干渉することもない。ありのままの現実(個人の意見を着色しない)を明確に、洞察的に認知し、理解することができるようになる。p51
人格転換は習慣により全人格の全体的変化が起こる。悲劇的な事件、死、心的外傷、転向、突然の洞察は当人の生活を無理やりに転換がおこり行動に変化をもたらすp49
自己実現は、深すぎるのでまた別記事を作成したいと思います。
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【自己実現の落とし穴】マインド系セミナーより実践心理学
まとめ
・成長(自己実現)するためには低次の欠乏欲求を満たす必要がある
・欠乏欲求が満たされることで、次の段階の成長欲求が芽生える
・成長欲求による本質的な成長により高次の領域に入っていく。
本日の参考書籍と論文
・
人間性の心理学―モチベーションとパーソナリティ(Amazon),A.H.マズロー
・
完全なる人間 [第2版]:魂のめざすもの(Amazon),A.H.マズロー
・
完全なる経営(Amazon),A.H.マズロー
・
マズローの基本的欲求の階層図への原典からの新解釈,廣瀬 清人,2009
・
マズローの自己実現論の全体像Google検索(論文),石田潤,2020
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