自己実現へ導く高次の知識欲【マズローの欲求】

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自己実現へ導く高次の知識欲【マズローの欲求】


自己実現といえば『夢が叶う』『ビジネスで成功する』をイメージするのではないでしょうか。

ちなみに20代の頃の私は本気で『BIGになる』と思っていました。痛い…。



しかし、ホントの自己実現は少し違っていました。


自己実現とは、
他人から見れば、地味なことでも本人にとっては大マジメなことだったり、楽しいことだったりします。

他人の顔色を伺わずに『自分がやりたいことをする』ことが自己実現かもしれません。

じゃあ、やりたいことが犯罪に値することでも、自己実現か!?と質問が来るかもしれません。

きっぱり答えは「No!!」です。


提唱者であるマズローの自己実現は、低次の欲求を満たすことで生まれる『成長欲求』と『高次の知識欲』の延長線で現れてきます。



低次の欲求を満たすことは、『土作り』であり最も欠かせません。


そして、誰もが潜在的に持っている自己実現への欲求は『自己実現へのタネ』です。

成長欲求と高次の知識欲によって大きな木になっていきます。







知識欲とは第1~6の欲求とは別もの



自己実現へ導く高次の知識欲【マズローの欲求】




マズローの欲求階層説(1~6段階)以外に、知識欲と云う基本的な欲求があります。
この知識欲は1~6段階の階層とは異なる基本的な欲求です。


本質的な欲求は1~6段階の欲求だとすると、知識欲は本質的な欲求に従う欲求です。
※本質的な欲求の二の次ということです。

知識欲は高等動物にもみられ、人においても幼児期から認められています。
人の成長過程で知識欲は幼児期より出現します。

マズローは「人間は自己実現に向かってたえず成長する生きものである」 と述べています。


※本記事の参考書籍は、
≪完全なる人間 [第2版]:魂のめざすもの≫、
≪人間性の心理学―モチベーションとパーソナリティ≫、
≪完全なる経営≫でいずれも、アブラハム・A・マズローの著書となっています。
※当書籍では、「知ろうとする欲求」や「認知欲求」と訳されていますが分かり易いように「知識欲」と置きかえさせて頂いています。ご了承ください。
※知識欲は本を使った勉強だけでなく、経験や新しい感性など体験することも含まれています。



自己実現の木


自己実現へ導く高次の知識欲【マズローの欲求】



自己実現は、低次の欲求を満たすことで生まれる『成長欲求』と『高次の知識欲』の延長線で現れてきます。


低次の欲求とは、第1~4の欲求を示します。
※第4の承認欲求については、低次の第4欲求(他者からの承認欲求)と高次の第4欲求(自己による承認)があります。低次の承認欲求までを含みます。



水、肥料、太陽の光を与えるように、自己実現のタネを大切に育てると『自己実現の木』になります。

その木になる実を、晩年のマズローは第6段階の欲求『自己超越』と呼びました。

自己超越まで到達する人は極わずかとマズローは言っています。

実際にマズローの周囲でも自己超越の域に達したものはほとんどいませんでした。 

なので、自己超越に関しては過去の人物や書物からデータを収集し自己超越の概念を作っています。
そのため概念がぼんやりした「幻」の存在です。

この領域に達する人は、これからは増えていくと私は考えます。


現代人の目標としては、「自己実現の木」に育て上げることにあります。


スピリチュアル界隈では、自己実現は「覚醒」と同じニュアンスになっています。

覚醒を端的に描写するとすれば、自己の本質が現れる状態であり、その状態がそれまでの意識状態にとって変わります。この状態はそれ自体で完結しており、よく「自己実現」という言葉で表されています。
引用:パワーか、フォースか 改訂版 ― 人間の行動様式の隠された決定要因 (覚醒ブックス),p16



マズローシリーズでは、自己実現までの一連を解説していきます。
関連記事↓↓
【マズローの欲求】ゼロからプラスへより良い人生
【マズローの欲求】心の自立(魂・意識レベルを上げる成長動機)


「覚醒」は意識レベル600以上から。
あなたの意識レベルは?魂レベルを上げる方法
平和は意識レベル600~


一般的にみる知識欲


自己実現へ導く高次の知識欲【マズローの欲求】



見知らぬ環境におかれた子どもは、母親にすがりつき、それからの後に少しずつ物事を探るために母親の膝元を離れ、探索し究明するであろう。

母親が姿を消し、おそろしくなってくると、安心感が取り戻されるまで好奇心は消えうせる。
引用:完全なる人間 [第2版]:魂のめざすもの,p81



高等動物であるサルの子どもや人の子どもでも同じような現象が認められます。
安全な場所があることで探索にでることができます。
これは子どもだけでなく、大人でもみられます。


例えば、月や地球圏域外への旅の中継基地としての宇宙国際ステーションや、人類で初めて地球一周したマルコ・ポーロでさえ陸地を伝い移動しています。


不安や恐怖から生まれる低次の知識欲


自己実現へ導く高次の知識欲【マズローの欲求】


低次の知識欲は恐怖や不安、焦りを解消するために生じます。


思うような結果が見えなければイライラしてしまったり、強迫観念のように取り組んでしまうこともあります。

この知識欲の根本は低次の欲求が満たされていない事で起こります。


つまり、
安全欲や承認欲求を満たすための動機(欠乏動機)から生まれる知識欲です。


低次であることは「悪い、ダメ」ではありません。
低次の欲求が満たされることで高次の知識欲が芽生えます。

心や魂の成長年齢(意識レベル)は、階段を昇ったり降りたりするようなものなのです。

すべてにおいて、他人とは比較せずに自分はどうなのかという気付きが重要です。


注意点として、禁欲の推奨はしていません。
欠乏を抑圧したとしても脱する事にはならず、深層心理の中で抑圧した事象は残り続ける。これらは思考や行動に決定的な影響をおよぼします。完全なる人間 [第2版]:魂のめざすもの,A.H.マズロー,p243


心理学的には過度な抑圧は精神衛生上は良くないようです。

※抑圧:自我を脅かす願望や衝動を意識から締め出して意識下に押し留めることであり、意識されないままそれらを保持している状態である。引用:ウィキペディア



低次の知識欲を解消するためには


自己実現へ導く高次の知識欲【マズローの欲求】



マズローは、低次の欲求自体を満たしつつ、『良く知り、良く理解する』ことにあると言っています。「良く知り、良く理解する」とは、低次の承認欲求を卒業する方法でもあります。

低次の承認欲求:他人から認められたい欲求(他者承認欲求)
方法としては自分を好きになる(自己尊重感、自己信頼感を高める)ことです。

→技術を磨く、能力を高める。自分を信頼する経験を多くもつ。意識的に信頼する。
→自分の好きなことに打ち込めば、自分を好きになれる

自分を好きになることはすごく難しいですが、自分を好きになれない人がどのようにして自分を尊重し自己を実現することができるのでしょうか。

私が意識して行ったことは、自分の「名前」を好きになる努力をしたことです。

※他者承認欲求がより専門的なのはアドラー心理学となります。
詳細は、別の記事で記載しています。

関連記事↓↓
【アドラー心理学】課題の分離で他人に振り回されない

知ることは単に前向きに成長する働きをもつだけでなく、不安を解消しホメオスタシス機能(普段通りの状態に戻る機能)を持つこともあります。
引用:完全なる人間 [第2版]:魂のめざすもの,p82

※ホメオスタシス:生体が外的・内的環境の絶えざる変化の中におかれながら,形態的・生理的状態を一定に保とうとする性質。
(引用:百科事典マイペディア)


個人的には『良く知り、良く理解する』とは以下のことだと思います。

鳥の目:視野を広く高い位置から物事見る(抽象的)

虫の目:細やかに物事を見る(具体的)

魚の目:物事の流れを読み取る(洞察的)


つまり、現実を客観的に見ること、見られるようになることだと考えます。



良く知り、良く理解することで、無知への不安が解消し「低次の欲求」が満たされます。


新時代を切り開く高次の知識欲


自己実現へ導く高次の知識欲【マズローの欲求】


低次の欲求が満たされていると出現するのが高次の知識欲です。

世界には偉大な知識欲を持った人々がいます。

危険を冒しても壮大な冒険に出るのは、これまでの歴史からでも読み取れると思います。


アメリカ大陸を発見したコロンブス、月に初めて降り立ったニール・アームストロング船長。
当時の生活では役に立たないことを解き明かそうとした、ガリレオ・ガリレイやアイザック・ニュートン。


これらに共通することは『未知・困難への挑戦』だと考えます。

しかし、この『未知』は人によって異なります。


また、マズローは高次の知識欲が大きく芽生えたのなら、低次の欲求が一時的に出現しても高次の知識欲は持ち続けると述べています。

未知と困難に立ち向かう姿勢 は何度も低次の欲求を満たしながら、高次の知識欲を大きくしていった結果なのです。

高次の知識欲の特徴
・基本的欲求を十分に満たし、愛や承認を求める人は忠誠心、友情、社会意識などの資質を発達させ良い親、夫、職業人になる傾向がある。
・利己性が減少しているため社会的にも好ましい結果をもたらす。


高次の知識欲が進む先は自己実現


自己実現へ導く高次の知識欲【マズローの欲求】



・低次の欠乏(欲求)を満たすことは『土作り』
・成長欲求と高次の知識欲を満たしていくことは自己実現のタネを『育む』こと
・育み続けることが『自己実現』


自己実現は、『夢が叶う』『ビジネスで成功する』とは少し違うことはわかったでしょうか。

行動の動機(行う理由)は低次の欲求と高次の欲求どちらに属しているのかで全く異なります。


次回は、もう少し自己実現とは何かを深堀していきたいと考えています。



まとめ


自己実現へ導く高次の知識欲【マズローの欲求】


・自己実現への欲求は誰もが持っている
・自己実現は、低次の欲求を満たすことで生まれる『成長欲求』と『高次の知識欲』の延長線にある
・現代人の目標は「自己実現の木」を育て上げること
・未知と困難に立ち向かう姿勢 は何度も低次の欲求を満たしながら、高次の知識欲を大きくしていった結果あらわれる。




この記事を読んでマズロー心理学に興味が持てたなら『あなた』は、きっと高次の知識欲の段階です。
なぜかといえば、実用的なハウツーではなく、すぐに効果はでない長期的な学びに興味を持っているからです。

《参考書籍》





【 ブログを書いている人 】
はいた~い、意識レベルラボを運営している“ひで汰”です。
自己実現へ導く高次の知識欲【マズローの欲求】このブログは、沖縄出身の読書好きな医療人が書いています。日常的に論文や本を読んでいます。
資格:理学療法士および協会指定の認定理学療法士(全体の7%)、介護支援専門員(ケアマネ)


プロフィール:35才(8才のエルサ、1才の食いしん坊かいじゅうの親です)。モットーは「見聞を広める」こと。
実績と挫折:〈年間100冊読書家は波乱万丈でも楽しめる:1日30~70万のビジネスチャンスを捨て沖縄から県外へ
私の意識レベル:「パワーかフォースか」の意識レベルを測定してみた

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