第6章:思考停止させずジャッジする経験を積む
愛と平和を願うなら適切なジャッジで本質を見極める
これまで主軸として説明してきた中庸という思想には対になる思想があります。
それが「大学」という思想です。
内面にフォーカスした中庸を補うための、
平和を考える学問です。
ちなみに、最高学位を表わす大学(大学院)ではありません。
「大」という字は、公や世界、社会を意味します。
大きな世界について考えることであり、国を越えて平和を考える学問ということになります。
実は、大学が書かれている本は、意外な人が読んでいます。
今は数が減ってしまいましたが、昔ならどの小学校にもあった「二宮金次郎像」を覚えていますか。
「二宮金次郎像」は、薪を背負いながら大学の本を持って読んでいます。
金次郎は、幼いながらも働きながら国の平和、世界の平和について学んでいたということがわかります。
大学の大筋は以下のようになっています。
一家仁なれば一国仁に興り
一家譲なれば一国譲に興り
一人貪戻なれば一国乱を作る
その機かくのごとし
訳:
一つの家が仁の愛で満たされれば、
国中の人々が仁の愛へと奮い立つ。
一つの家が謙虚な心で溢れると、
国中の人々が謙虚な心へと移り変わる。
一人が貪欲で道理に背くのなら、国中は乱れる。
そして、この平和への道を学ぶことが「大学(世界の平和)」という学問になります。
「世界の平和など私には関係ない」とは思わずに、外の世界にも目を向けていただけたら幸いです。
心の探求を続けるほどに、外の世界からの情報の嵐には無防備になってしまいます。
心の声:
>「直感を信じれば大丈夫!!」なんて言わずに力を貸してください。
次の世代の子どもが純粋に無防備に夢を描けるくらい、私たち一人一人の手で平和な世界を築き上げてみませんか?
※当時の国というのは今でいう市町村・県にあたります。市町村・県が豊かになれば日本という国が豊かになるということを指しています。
金次郎が読んでいた「大学の8つの大切なこと」
内面と世界は密接に関係しています。内面と世界は、繋がり合いシンクロしています。
繋がりに気づいている人ほど、シンクロを自覚していると思います。
そして、内面の変化は時間が経つほどに波及効果も大きくなっていきます。
心を整えることは、内側から外側の平和へと繋がる道になります。
この項目では、大学という学問を通して「平和への道筋」を簡単に紹介します。
図:心が外側に与える影響のSTEP8
内面が変わり心も平和になれば外側も平和になることを、昔の人も気づいていました。
本書の内容は、内面を知り、どう見方を変えて、どう心がけたら良いのかにフォーカスしてきました。
本章の大学の解説では、あなたが生きている周囲(外の世界)の状況を確認することで、自分の内面の豊かさや成長段階を知ることもできます。
8つのSTEPは、自分の内面にある豊かさが外側の状況を変化させていきます。
STEP1〜5までは内面の成長、STEP5〜8はコミュニティの豊かさと平和に分けられています。
STEP7〜8に関しては、壮大な話となりますので、自分が見ている世界観として照らし合わせてみてください。
※続きは本編にて